今日は仮想通貨の話題ではなく恐縮ですが、投資という観点は同じなので、閑話休題さらりと流し読んでいただけると嬉しいです。
サラリーマンながら不動産事業をやっている私からすると、どうしても書かずにおれない内容でした。

かぼちゃの馬車

ニュースで話題になっている不動産投資の「かぼちゃの馬車」問題についてです。

内容をご存じでない人のために、簡単に内容を書きますね。

「かぼちゃの馬車」という投資商品

スマートデイズという会社が、かぼしゃの馬車という不動産(シェアハウス)を一般のサラリーマン向けに投資商品として販売しました。

1棟1~2億円ぐらいで、30年の家賃保証があり、投資家は何もしなくても毎月家賃(どのぐらいなのか不明)がちゃりんちゃりんと入ってくるというものです。

むろん1億円を現金で用意できるサラリーマンなんてほとんどいないので、銀行から融資を受けて購入するのですが、その融資を引き受けたのが静岡県にある地銀、スルガ銀行です。

スマートデイズはその融資に関する手続きも代行してやってくれ、投資家はほとんど何もせずともかぼちゃの馬車を購入することが出来ました。(ここまでをAとします)

このようなスキームで購入した人が700人ほどいたようですが、昨年の11月に家賃保証の金額を銀行への返済金額と同額まで引き下げられ、さらに今年に入ってまったく家賃収入が入ってこなくなったという事で、投資家たちは銀行への返済が出来ず、破産するしかないという事態になってしまっています。

Aまで読んでいるととてもおいしい投資話のように思えます。

賢明な皆さんはお分かりと思いますが、「おいしい投資話には要注意」ですよね。

投資の失敗

そして仮想通貨投資でも散々に言われている「投資は自己責任」という事からすると、投資家にも大いに非があると思います。

闇はなかなか深い

ただし、この話の闇が深いのは、融資をしていたスルガ銀行にも不正をしていたという疑いがあるという事なのかと思います。

ニュースを見ていると「銀行が融資をOKしたから安心して投資したのに」という投資家の声が紹介されており、世間の論調もスルガ銀行やスマートデイズに非難が多く集まっているように思います。

同業の私からすると真相は完全にはわからないものの

スマートデイズ=投資家>スルガ銀行

ぐらいで罪深いのかな~と思います。

スマートデイズが悪徳業者であることはほぼ間違いないものと思います。甘い言葉で客を釣り、投資家の預金通帳などを改ざん(水増し)して銀行に提出していたという疑いもあります。

これに対して今回被害者のように報道されている投資家の罪は「あまりにも無知すぎる」という事です。

振り込め詐欺に引っかかったとして、振り込め詐欺を仕掛けた方が悪いのは言うまでもないですが、騙された方にも少しは問題があるというのが現在の認識だと思います。これと同じですね。

1億円もの不動産を購入するのに何も勉強せずに投資をするからこうなってしまうわけです。被害者として弁護士(彼らは飯のタネなので喜んで仕事しているでしょう笑)と一緒になんとかしようとしていますが、現在苦しい思いをしているのは確かでしょう。

私の言う勉強とはなんなのか、ニュースでは語られる事はほぼないであろう不動産の闇を書いてみたいと思います。

スマートデイズのような業者はたくさんある

今回問題として世間を騒がせているスマートデイズですが、このような業者を不動産業界では「3為業者」と呼びます。東京にはこのような業者が今もたくさん活動しています。

3為業者とは、簡単に言うと転売屋です。

3為業者の目的は売主から不動産を仕入れて、それを投資家に買わせてキャピタルゲインと仲介手数料(不動産価格の約3.24%)を得るのが目的なので、それが出来るように融資の審査があまい銀行などとタッグを組んで全部お膳立てしてあげるわけです。

売ってしまえば、あとは関係ないので、その不動産事業がどうなろうと知った事ではありません。

今回のケースは家賃保証という形で売った後もかかわった為に、問題になっているともいえます。よくあるケースは1年限定の満室家賃保証ですね。1年後に空室だらけの状態であることが判明し、いきなり破たんするという話も聞きます。

家賃保証は改定が可能

今回は30年の家賃保証があったという話で、これをサブリースと呼びます。

通常マンションは空室が出来るとアパマンショップのような管理会社にお願いして入居者さんを探してもらうわけですが、それも代わりにやってあげますというものです。

いうまでもなく、家賃の10%~20%ぐらいは手数料として取られます。自力で満室にしている人よりも10%以上も収入が減る訳ですね。

さらにこの家賃保証はサブリース契約書に1年とか2年に一度見直しができると書いてあります(それを説明してくれるのかどうか知りませんが)。

なので、サブリース会社はその時の家賃の80%ぐらいの金額に毎年更新しておけば、満室でなくても別に問題ないという事になります。

サブリース会社も実際には地元の管理会社に入居付けをしてもらっているので、単なる利ザヤの中抜きをしているだけです。まともな不動産業者ではサブリースなんてとんでもないというのが常識で、私が購入したアパートにもサブリース契約がありましたが、この契約の打ち切りは購入の絶対条件にしていました。

保証と書いてあるのですが、実際にはなんら保証されたものではないわけです。

おそらく今回のケースも何年かに一度は見直しが入るような契約になっていたのではないでしょうか?破たんがそれよりも早くに来てしまっただけというかもしれません。もしこの条文が無いのであれば、破たんは前提であったと言えます。すなわち確信犯。

言いなりにならない

スルガ銀行の位置づけ

今回の融資を一手に引き受けたスルガ銀行は、不動産をやっている人なら知らぬ者はいないある意味超有名な銀行です。

サラリーマン(ある程度高所得である必要はある)を対象に非常に審査が緩い事で有名で、融資を受けるのは簡単なのですが、金利が4.5%とこの超低金利時代にあって、暴利ともいえる高金利なのです。

普通は都銀なら1%、他の地銀や信金でも2~2.5%程度です。

3為業者がスルガ銀行とタッグを組むことが非常に多いのは言うまでもありません。

しかし金利が高いと元本がなかなか減らず、売却したいときに残債が多く残ってしまうため、損を出さずに売り抜けるのが非常に難しくなります。

そうです、今回のかぼちゃの馬車もその不動産を売ってしまって、借り入れが全額返済できるならそうすればよいのです。しかしそれが出来ない、相当な高値掴みをしているからです。

あまり専門的な事を書いても仕方がないので、基本的な事だけを書きました。この程度なら数冊の専門書を読めば身に付く知識レベルです。

最低限しておくべきだったこと

後述しますが、スルガ銀行から融資を引くことが必ずしも悪い事ではありません。

それよりもこの投資商品に投資をする際に、最低限以下のことを確認しておくべきだったと思います。

1.毎月の返済がいくらなのか。

2.それに対して、もし自分が運営するなら(ここ重要)、家賃がいくらなら入居付け出来そうか。

3.それによっていくらの収入が見込めるのか。

4.それが月々の返済に対してどの程度なのか

かぼちゃの馬車は上京してきた独身女性をターゲットにしていたそうなので、仮に自分にそのぐらいの娘がいるとして、部屋を借りると考えて、近隣のワンルームマンションなどの家賃を調べれば大よその見当は付くと思います。

入居率90%程度で収入を見て儲かりそうか、それぐらい確認するのは何ら難しくありません。

おそらくそれではとても運営は無理という結果になっているものと思います。

もちろんこの程度では穴だらけの事業計画で、もっと綿密に計算する必要がありますが、投資以前に検討する価値があるかどうかぐらいはこれで見当がつきます。

今後どうするのか?

このブログを読んでおられる方で、この投資に乗ってしまったという人はいないと思いますが、今後どうするのかを書いてみたいと思います。弁護士とともに銀行と戦う?全く違いますよ、そんなの弁護士にまで報酬を取られ、往復ビンタで食いものにされるだけですね(笑)。

1.借り換えもしくはスルガ銀行と金利交渉

とにかくこれをしないと始まりません。金利は銀行の収益になるだけで、投資家としてのメリットは経理上損金計上できるぐらいしか意味はありません。

返済金額、そして元本を下げていくためには、金利を下げるよりありません。

スルガ銀行が乗ってくれるかどうかもちろんわかりませんが、金利を2.5%程度(これぐらいならスルガ銀行で実例があります)まで下げてもらい、融資期間は据え置くことで、月々の返済金額を下げるだけで収益性は大幅に良化します。

借り入れ1億円、30年ローン、金利4.5%なら毎月の返済は51万円ですが、金利を2.5%にすると毎月の返済は40万円まで下がります。

同時に借り換えを検討するべきです。都銀はまず乗ってくれないと思いますが、信金などでは可能性があります。信金でも金利が3%を超えるという事はないので、やってみるだけ挑戦するべきです。

2.サブリース契約の解除

どうせ家賃は入ってこないのですから、すぐにでもスマートデイズとの契約を打ち切り、自主運営に切り替えるべきです。入居付けなどは管理会社にしてもらえば問題ありません。

スマートデイズに「訴訟しない」という条件を出せば乗ってくれるように思いますけどねぇ。どうなんでしょう。

物件の詳細情報を知らないので何とも言えませんが、満室であっても月々の返済が賄えないのでしょうか?さすがにそこまでぼったくられているともうお手上げですけど。

自主運営する自信がない?

丸投げ投資をしているぐらいだから、失敬ながら経営能力がないのだろうと思います。

まずネットで情報を集めるべきですね。かぼちゃの馬車の投資家を救済したいというコンサルタントがいます。

もちろんコンサル料を取られますが、私にご相談くれればセカンドオピニオンぐらいは差し上げます。

最後にスルガ銀行

不動産業界では高金利の4.5銀行などと揶揄されるスルガ銀行ですが、彼らの存在は必ずしも悪ではありません。

現在は多くの資産を持ち成功を収めた著名な不動産オーナーも、最初のサラリーマン時代にスルガ銀行の融資から始めたという人が非常に多いです。

2012年あたりは今よりも不動産価格が安く、利回りが良かったので、高金利で借りていても十分にやっていけた時代がありました。

そうして不動産事業の実績を積むことで、他の低金利の都銀や地銀が融資に応じてくれるようになって、規模を拡大していったという人がたくさんいます。

最初のステップとして存分に活用できたわけです。

今はスルガ銀行の金利に耐えられる物件はほとんどないので、使ってはいけない銀行というレッテルを貼られていますが、借りやすさは非常に大きなメリットなので、物件次第ではとてもありがたい銀行という事がいえるのです。

すべては事業計画にあります。不動産は投資ではなく事業ですからね。

ものすごい長い与太話にお付き合いいただきまして、本当にありがとうございます。今回の被害者?投資家さんが無事に立ち直れることをお祈りしております。

いつもご覧いただきありがとうございます。
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